粗大ごみから利益を得た体験談

回収業者が一度回収したごみを、しばらくの間倉庫の中に保管してその後別の業者に処分を任せるという方式をうまく利用

現代の日本では、不要とされたものは即座に廃棄される傾向にあります。ものを捨てないでおくと家の中が狭くなり、いろいろと不自由だからと言われればそれまでですが、まだ動くものとなると、もったいなく見えるのも確かです。
私の友人の一人に、職業柄そうしたものに触れる機会が多い人がいるのですが、彼はそんなもの、いわゆる粗大ごみから利益を得ています。今回紹介する話(体験談)は、そんな彼にまつわるものです。

粗大ごみから利益を得る方法と言えば、一般的には回収業者となり、顧客からごみを引き取る代わりに、金銭を受け取るものだと思われています。事実、彼の勤務先もそうした営業形態を取っていました。しかし、彼の会社はそこが独自の処理場を持つ訳ではなく、回収したものを倉庫の中に納め、ある程度たまってきたら別の処理業者に処分を任せるという方式を採用していました。そのため、一度回収されたごみは、しばらくの間は、倉庫の中にあるのです。
そして、その倉庫の管理は、現場責任者である工場長が担当していました。工場長と彼は懇意の仲にあり、回収してきたごみの中から欲しいと思うものがあれば、ある程度までは好きにしてよいと言われていました(さすがに全て利用できる訳がありませんし、あまりあからさま過ぎるのも問題なため、そうした感じになっているそうです)。そのため、彼は倉庫の中に自由に出入りできました。

回収されたものの中には、もう製造が中止された機種の部品なども!それを欲しがるマニアに売ることで利益に

回収されたものの中には、単に新しいものを買ったからいらなくなったという家電製品が大量に存在しており、彼はそれを主な獲物としていました。手先が器用な彼は、多少の故障なら自分で直せます。気に入った家電製品を自宅に持ち帰って修理し、利用していました(言わば会社公認でリサイクルをしていた格好です)。 
ごみになりやすいものの代名詞としては、パソコンやその周辺機器も含まれました。数年ごとにOSの更新やモデルチェンジなどで買い換えが必要になるそれらは、たいていの人が持てあまし、やがて廃棄してしまうからです。古くさいパソコンや周辺機器など、単なるごみではないのかと、話を聞いたときに、私は思いました。スペックが劣るものを無理矢理使っても、面倒なだけではないのかと感じたからです。

しかし、世の中にはマニアがいます。古いパソコンを趣味目的で愛用している人たちです。彼らはもう製造が中止された機種の部品を、修理の際に用いるストックとして欲しており、そこに需要がありました。「もう動かないパソコン本体でも、パーツ取りに使えるから売れる」と彼は言います。 
捨てれば単なるごみですが、必要とされる限りそうはならないため、これはこれでエコに繋がるのではないか、と私は思いました。